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2016年3月4日金曜日

研修開始時の場づくりのコツ 「研修ファシリテーターのための研修成功のポイント」(3)

「フォトリーディング集中講座」の講座風景(2014年12月撮影)
「フォトリーディング集中講座」の講座風景(2014年12月撮影)


最初が流れれば、研修は成功させられる!


2011年から「プロ講師養成講座」を開始して、試行錯誤しながら講師ノウハウをまとめています。

講座を開催しながら、最初に気づいたことが、これです。

 「とにかく研修の最初の部分さえ、成功すれば、あとは大抵どうにかなる」

みなさんも経験がおありなのではないでしょうか?

研修開始時は、たいていカタ~い雰囲気が流れています。

これは、研修開始時は、受講者の方々もまだ緊張しているからです。

 「いったい何が起きるんだろう?」

 「この先生、本当に大丈夫かな?」

など、半信半疑の気持ちで、受講している人がほとんどではないでしょうか。

そんなカタい雰囲気の中で登壇している講師というのは、それはもう、針の筵に立たされたような気分かと思いますが、プロであれば、そこを上手く乗り越え、受講者の方々を自分のペースに引き込んでしまいます。

今日は、そんな研修開始時の場づくりのコツについてお話したいと思います。


自分から心を開く


コミュニケーションというのは何でもそうですが、まず、自分から心を開かなくては始まりません。

講師の場合には、自分は提供側ですから、自分から心を開くしかないのです。

このことは、私はライブ歌手をしていた時に思い知りました。

歌手というのは、ステージに上がって歌うわけで、観客から見たら、ちょっと遠い存在のようですよね。

ですが、良いライブ歌手は、観客を巻き込んで場を作ります。

私も若い頃、本当に駆け出しの歌手だった頃には、観客に心を開くことができていませんでした。

すると、やはり伝わらないのですね。

ところが、ある時、「観客の方々に愛情を持ってステージに上がろう」と考え、それから実行してみると・・・・。

歌い終わったあと、多くの方々が私に声をかけてくださるのです。

本当に嬉しそうに、親しみを込めて、「さっきのあの歌、すごく良かったです」などと言ってくださいます。

不思議です。

自分の心構えを変えただけで、観客の反応というのは大きく変わるのです。

そうは言っても、緊張しますよね。

私の歌の師匠は、いつも「歌手なんて、パンツも履いていないんだ」と言っていました。

つまり、心を裸にしろ、ということです。

人の前で何かを発信する人というのは、自分から裸になる覚悟を持つ必要があるのですね。

この時、

 「ああ、ダメな自分を見られるのは、とても恥ずかしい」

といった気持ちを持つのは、普通の事だと思います。

そこで、私が考えたことをお伝えします。

  「歌という美は、私が作ったものではなく、もともと世界に存在するものなんだ。それを私は自分という身体を通して、みなさんの前に置くだけなんだ」

こう思うだけで、緊張はほぐれます。

自分にばかり意識が向いていると、緊張するのです。

けれど、

 「自分は自分が伝えることを、自分という媒体を通して、ただ置くだけ」

と考えると、とても気が楽になります。

こうすれば、裸になるのも怖くない。

聴衆の皆さんが見ているのは、講師であるあなた自身ではなく、あなたが自分という媒体を通してみなさんの前に置いたものなのです。

つまりそれは、世の中にある真理であったり、美であったりということです。

その真理や美を求める気持ちを持って、心を開いてみてください。

きっと、受講者の皆さんも心を開き始めます。

場の雰囲気が柔らかくなってくれば、こちらのもの。

あとは、研修はサ~ッと良い方向に流れていくはずです!