仕事の失敗というのは、理解不足から来ることがほとんどです。一所懸命やったとしても、その業務の意味を本当に理解できていないと、失敗してしまいます。
実は、相談というのは、本来、自分の与えられた業務に対する「理解」を深めるためにあるのです。
実は、相談というのは、本来、自分の与えられた業務に対する「理解」を深めるためにあるのです。
業務の意味とは何か
組織においては、業務は分解され、担当分けされるため、自分の業務が何につながっているのか見えづらくなっています。
たとえば、経理担当であれば、締め日までに帳簿を完成させるのが業務の目的のように見えてしまいますが、本当の目的は違います。本当は、経営結果を経理上の数字で振り返り、次の一手を考えるための資料を提供するのが経理担当の仕事です。
営業担当であれば、目標売上を達成するために、とにかく受注してくるのが目的のように見えますが、本当はどうでしょうか。自社の商品をお客様によく知ってもらい、求める人のところに届けるための活動をしたり、お客様の要望を社内の開発部門にフィードバックすることが、本来の営業業務の意味ではないでしょうか。
このように、業務に向かう時、多くの人は、つい、目の前の仕事を完了させることや、目先の目標を達成することに意識が向いてしまいますが、実は、本当の「業務の意味」はちょっと違うものであることが多いのです。
そして、この本当の業務の意味を理解できていないと、いざという時に、自分で判断することができなくなってしまいます。
また、上司とのやりとりにおいても、すれ違いが出てきてしまうのです。
たとえば、経理担当であれば、締め日までに帳簿を完成させるのが業務の目的のように見えてしまいますが、本当の目的は違います。本当は、経営結果を経理上の数字で振り返り、次の一手を考えるための資料を提供するのが経理担当の仕事です。
営業担当であれば、目標売上を達成するために、とにかく受注してくるのが目的のように見えますが、本当はどうでしょうか。自社の商品をお客様によく知ってもらい、求める人のところに届けるための活動をしたり、お客様の要望を社内の開発部門にフィードバックすることが、本来の営業業務の意味ではないでしょうか。
このように、業務に向かう時、多くの人は、つい、目の前の仕事を完了させることや、目先の目標を達成することに意識が向いてしまいますが、実は、本当の「業務の意味」はちょっと違うものであることが多いのです。
そして、この本当の業務の意味を理解できていないと、いざという時に、自分で判断することができなくなってしまいます。
また、上司とのやりとりにおいても、すれ違いが出てきてしまうのです。
言うことがコロコロ変わる上司
例をあげて考えてみましょう。
事務担当のAさんは、入社して間もなくて業務に慣れていないため、人一倍、仕事に時間がかかっていました。自分としては一所懸命やっているのですが、スピードが上がらず、業務時間内に仕事を終わらすのに必死です。
また、自分で業務の優先順位を考えることができないため、仕事をしていると、上司から、「それは来週に回して」とか、「それは今日中にやって」などと、細かく指示出しをされていました。
とある金曜日の午後、Aさんが仕事をしていると、
上司から「それは急がないから、こっちを先にやって」と言われました。
Aさんは、そうなんだと思い、別の業務を始めました。やがて終業時刻となり、仕事は中途半端なままでしたが、用事があるのでそのまま帰りました。
次の月曜日、上司から、金曜日には急がないと言われた業務を「今日中にやってください」という連絡が入りました。
Aさんは、金曜日には急がないと言っていたのに、なぜ「今日中にやって」なんて急に言ってくるんだと、腹が立ちました。
この他にも同様のすれ違いが上司との間によく起きていました。
Aさんが何かを上司に相談すると、上司は答えてくれるのですが、時々、答えをひっくり返すのです。前回聞いた時は「それでいい」と言っていたのに、「やはり違う」と言われたりして、Aさんは、イライラばかりしていました。
たとえば、金曜日に「急がない」と言われた仕事であっても、月曜日も急がないとは限りません。上司はその業務の納期は月曜だと考えていたのです。だから、金曜は「急がない」と言い、月曜には「今日中に」と言ったのです。
「急がない」というのは曖昧な言葉です。本来は、仕事の受け手、仕事の提供側である部下が、納期を確認する必要があるのですが、Aさんは、それを行っていないため、上司に、「急がない」とか「今日中に」と言われ、イライラばかりしていたのです。
また、上司に相談したことについて、「それでいい」と言われたのに、次の時には「やはり違う」と言われたというのも、実はAさんの業務に対する理解が浅いために起きていました。
Aさんは、自分の書いたメールを、上司に「これでいいですか?」と相談していました。上司は、持ってこられたものを確認したのですが、精査する時間がなかったため見落としがあるまま、「それでいい」と通してしまいました。ところが、後から不足点に気づきました。それで、次回の時には、その点を指摘するために「違う」と言ったのです。
ところが、Aさんは、こういったことが理解できず、上司は言うことがコロコロ変わると思い、イライラをより募らせてしまいました。
一つ目は、依頼された業務の仕上がり状態を確認するのは部下の側の仕事であることが分かっていない点です。
上司の指示というのは、99%曖昧であると考えたほうが良いでしょう。その曖昧な指示を、相談により、しっかり確認できるようになることが、仕事の実力を上げることにつながるのです。
Aさんは、上司が「いつまでに」と言うまでは納期を確認することなく、自分の都合や自分のやり方で業務を進めていました。ましてや優先順位もめちゃくちゃです。見かねた上司が指示を出してきたことに対し、「言っていることが違う」とイライラしていたのです。
二つ目は、判断基準を確認するような相談ができていない点です。
Aさんの相談は、自分の行った業務を確認してもらうことに止まっていました。上司がなぜ、そのように判断したのかを理解しようという考えが、Aさんには不足していたのです。
・業務の優先順位を考える際には、何を基準に考えるべきなのか
・なぜ上司は、この業務より別の業務を優先させたのか
・自分の業務の目的はそもそも何なのか
・メールの文面のまずい点は、なぜ、これではいけないのか
・迷った時の判断基準は、どこに持つべきなのか
といったことを上司に相談すれば、上司が何を言わんとしているのか、Aさんにも理解ができたのではないでしょうか。
今のAさんは、「コロコロ言うことを変える上司が悪い」と思い込んでいますので、上司としても取りつく島がないでしょう。上司がAさんに何かを教えてあげようとしても、おそらくAさんには、受け入れることができないのではないでしょうか。こんな状態では、上司との溝は深まるばかり。すれ違いが解消されることはありません。
このまま会社を辞めるというのなら仕方ありませんが、せっかく何かしらの志を持って入社したのであれば、少し考えるべきではないでしょうか。
まず、Aさんは、自分の側に不足があることを認めなくてはなりません。与えられた業務の本当の意味を理解していないことを認め、謙虚に自分の側から確認に行く必要があるでしょう。上司もAさんの教育には責任がありますので、Aさんが謙虚に相談をすれば、受け入れてくれるはずです。
業務の本当の意味、業務の目的を理解できれば、上司の言葉の意味が分かってくるはずです。上司が「いい」と言ったり「違う」と言ったりしているのは、何を意味しているのか、そこに意識を向けるのです。上司の言葉の表面的なことに反応するのではなく、上司の言葉の裏にある意味を見抜くのです。
上司とのすれ違いのほとんどは、「業務の意味」の理解不足から来ています。あなたがもし、上司と上手く行っていないとしたら、この点について少し考えてみると、解決するかもしれません。
あなたの仕事が、よりハッピーなものになることを祈っています。
事務担当のAさんは、入社して間もなくて業務に慣れていないため、人一倍、仕事に時間がかかっていました。自分としては一所懸命やっているのですが、スピードが上がらず、業務時間内に仕事を終わらすのに必死です。
また、自分で業務の優先順位を考えることができないため、仕事をしていると、上司から、「それは来週に回して」とか、「それは今日中にやって」などと、細かく指示出しをされていました。
とある金曜日の午後、Aさんが仕事をしていると、
上司から「それは急がないから、こっちを先にやって」と言われました。
Aさんは、そうなんだと思い、別の業務を始めました。やがて終業時刻となり、仕事は中途半端なままでしたが、用事があるのでそのまま帰りました。
次の月曜日、上司から、金曜日には急がないと言われた業務を「今日中にやってください」という連絡が入りました。
Aさんは、金曜日には急がないと言っていたのに、なぜ「今日中にやって」なんて急に言ってくるんだと、腹が立ちました。
この他にも同様のすれ違いが上司との間によく起きていました。
Aさんが何かを上司に相談すると、上司は答えてくれるのですが、時々、答えをひっくり返すのです。前回聞いた時は「それでいい」と言っていたのに、「やはり違う」と言われたりして、Aさんは、イライラばかりしていました。
上司の言葉を表面的に捉えてはいけない
この例においては、Aさんの上司は言うことがコロコロ変わっているかのように見えますが、実はそうではありませんでした。たとえば、金曜日に「急がない」と言われた仕事であっても、月曜日も急がないとは限りません。上司はその業務の納期は月曜だと考えていたのです。だから、金曜は「急がない」と言い、月曜には「今日中に」と言ったのです。
「急がない」というのは曖昧な言葉です。本来は、仕事の受け手、仕事の提供側である部下が、納期を確認する必要があるのですが、Aさんは、それを行っていないため、上司に、「急がない」とか「今日中に」と言われ、イライラばかりしていたのです。
また、上司に相談したことについて、「それでいい」と言われたのに、次の時には「やはり違う」と言われたというのも、実はAさんの業務に対する理解が浅いために起きていました。
Aさんは、自分の書いたメールを、上司に「これでいいですか?」と相談していました。上司は、持ってこられたものを確認したのですが、精査する時間がなかったため見落としがあるまま、「それでいい」と通してしまいました。ところが、後から不足点に気づきました。それで、次回の時には、その点を指摘するために「違う」と言ったのです。
ところが、Aさんは、こういったことが理解できず、上司は言うことがコロコロ変わると思い、イライラをより募らせてしまいました。
判断基準を確認するために相談する
Aさんの間違っている点は大きく二つあります。一つ目は、依頼された業務の仕上がり状態を確認するのは部下の側の仕事であることが分かっていない点です。
上司の指示というのは、99%曖昧であると考えたほうが良いでしょう。その曖昧な指示を、相談により、しっかり確認できるようになることが、仕事の実力を上げることにつながるのです。
Aさんは、上司が「いつまでに」と言うまでは納期を確認することなく、自分の都合や自分のやり方で業務を進めていました。ましてや優先順位もめちゃくちゃです。見かねた上司が指示を出してきたことに対し、「言っていることが違う」とイライラしていたのです。
二つ目は、判断基準を確認するような相談ができていない点です。
Aさんの相談は、自分の行った業務を確認してもらうことに止まっていました。上司がなぜ、そのように判断したのかを理解しようという考えが、Aさんには不足していたのです。
・業務の優先順位を考える際には、何を基準に考えるべきなのか
・なぜ上司は、この業務より別の業務を優先させたのか
・自分の業務の目的はそもそも何なのか
・メールの文面のまずい点は、なぜ、これではいけないのか
・迷った時の判断基準は、どこに持つべきなのか
といったことを上司に相談すれば、上司が何を言わんとしているのか、Aさんにも理解ができたのではないでしょうか。
今のAさんは、「コロコロ言うことを変える上司が悪い」と思い込んでいますので、上司としても取りつく島がないでしょう。上司がAさんに何かを教えてあげようとしても、おそらくAさんには、受け入れることができないのではないでしょうか。こんな状態では、上司との溝は深まるばかり。すれ違いが解消されることはありません。
このまま会社を辞めるというのなら仕方ありませんが、せっかく何かしらの志を持って入社したのであれば、少し考えるべきではないでしょうか。
まず、Aさんは、自分の側に不足があることを認めなくてはなりません。与えられた業務の本当の意味を理解していないことを認め、謙虚に自分の側から確認に行く必要があるでしょう。上司もAさんの教育には責任がありますので、Aさんが謙虚に相談をすれば、受け入れてくれるはずです。
業務の本当の意味、業務の目的を理解できれば、上司の言葉の意味が分かってくるはずです。上司が「いい」と言ったり「違う」と言ったりしているのは、何を意味しているのか、そこに意識を向けるのです。上司の言葉の表面的なことに反応するのではなく、上司の言葉の裏にある意味を見抜くのです。
上司とのすれ違いのほとんどは、「業務の意味」の理解不足から来ています。あなたがもし、上司と上手く行っていないとしたら、この点について少し考えてみると、解決するかもしれません。
あなたの仕事が、よりハッピーなものになることを祈っています。
>「急がない」というのは曖昧な言葉です。本来は、仕事の受け手、仕事の提供側である部下が、納期を確認する必要があるのですが、Aさんは、それを行っていないため、上司に、「急がない」とか「今日中に」と言われ、イライラばかりしていた
返信削除●なるほどですが、きっと上司も困っているはず。初めから、上司の方でも納期を指示した方がいいのになと思いました。
ここでは部下の側が聞く必要があります。それが仕事です。
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