このページの記事一覧


2015年7月27日月曜日

ダイバーシティはイノベーションの源泉

先週の木曜日にダイバーシティ関連の会合に参加してきました。

「ダイバーシティ」とは、「多様性」という意味ですが、今、企業経営において、この「ダイバーシティ」〜働く人の多様性をどう扱うか、という問題が非常に注目されているのです。

ダイバーシティの捉え方は様々で、

・ジェンダー・ダイバーシティ(性的役割認識の多様性)
・エイジ・ダイバーシティ(年齢の多様性)
・グローバル・ダイバーシティ(国籍などの多様性)
・オピニオン・ダイバーシティ(意見の多様性)

ほか、たくさんの考え方があります。

日本において、企業経営の中でのダイバーシティが注目されてきたのには、女性の活躍を重視する安倍政権の成長戦略が一役買っています。

もちろん、ダイバーシティは女性活躍と同一の意味ではなく、他のダイバーシティも含んだ広い概念です。

しかし、世界的に見て、日本の女性の社会における活躍度合いは大変低いという現状があります。そのため、日本企業においては、「ダイバーシティ」と言うと、「女性の登用」や「ワークライフバランス」を実現する働き方、といった風に捉えられるケースが多いようです。

内閣府が発表している世界経済フォーラムの「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」(男女格差指数)によると、日本の順位は2014年には142カ国中104位と、きわめて低い結果だったようです。この指数は、経済分野、教育分野、政治分野、保健分野のデータから作成されています。

一方で、国連開発計画(UNDP)のジェンダー不平等指数においては、2013年の日本の順位は152カ国中25位です。こちらは、妊産婦死亡率などの指数が評価された結果と考えられているようです。

ジェンダー・ギャップ指数で上位の国(ギャップのない国)を上げると、

2014年には

1位 アイスランド
2位 フィンランド
3位 ノルウェー
4位 スウェーデン
5位 デンマーク
6位 ニカラグア
7位 ルワンダ
8位 アイルランド
9位 フィリピン
10位 ベルギー

あれ?あれ?

先進7カ国の名前はないですね。
北欧の国、福祉国家が多いというのも面白い。

まあ、日本は先進国中でも女性活躍度、ジェンダー・ギャップの解消は低い国なのだそうですが・・・。

詳細は見えませんが、日本においては、「女性は基本的人権においては大切にされてはいるものの、活躍できる社会にはなっていない」というのが現状のようです。

最近は、「女性も仕事をして、社会における重要な存在として役割を担う」という考え方が、日本においてもかなり進んで来たように感じていますが、私が長女を産んだ19年前は、まだまだそうでもありませんでした。

たとえば、

子どもを保育園に迎えに行かなくてはならないのだけれど、終業時刻が遅いために間に合わない。
フレックスタイムなどの多様な働き方を取り入れられれば良いが、そういう対応を嫌う人が多い。

など。

日本は「和」の文化を持っています。

自分を押さえて周囲に「合わせる」。

なので、最大公約数的な働き方に「合わせる」とか、最大公約数的な感じ方に「合わせる」ことが求められる社会なのですよね。

宗教においては、日本人の多くはダイバーシティの精神を有していますが、社会生活においては、結構、「村社会」志向かもしれないですね。

今回の会合の中で、世界的にダイバーシティ推進に携わっていらっしゃった年配の女性に質問をしました。

「女性は感情的になりやすいと言われます。男性のように感情を押さえる訓練を子どもの頃からしていないからだと思いますが、そのために、企業においては女性が管理職になるのは不適切である、と考える人が多いようです。これについて、どう思いますか?」

この質問に対する彼女の回答は

「そんなこと言っているのは日本だけですよ。世界においては、男であっても、感情むき出しで自分の意見を主張し合い、そのあげくに理解し合う、こういうことが当たり前なのに、日本だけが、『こうしてはいけない』、『場を読め』などの考え方に捉われている。」

といったものでした。

私も感情が出やすい女性の一人です。

また、その場の常識を読み取れないことがあります。

男社会の中では、自分らしく仕事ができず、自分を押さえていなくてはやっていけないと感じることが多々あります。

「自分は人とは感じ方が違うから、社会的には不適合なのかな〜」

「自分は人と見え方が違うから、経営には向かないのかな〜」

などと、悩むこともあります。

同様に、日本の女性の多くは男性社会の常識に適合できず、自分のありままの姿を社会から否定され、自分に対する自信を失いがちなのではないでしょうか。

けれど、今回の会合に出て、「自分らしくあって大丈夫なのだ」と思いました。

「ダイバーシティ」は、実はイノベーションの源泉でもあるのです。

今までの考え方、社会常識に当てはまらない異分子が入るからこそ、新しい気づきがチーム、組織に産まれます。

「違い」は新しいことが起きるための必要不可欠な要素であり、「違い」を排除するのは正しいことではありません。

日本においては、「人と違う」ということは、排除されたり、矯正されたりする要因になりがちですが、本当はそれは誤りなのかもしれません。

同じものを見ても、一人は「私はこう感じている」。

けれど、別の人は「私はこう感じている」。

「こう感じるのが普通だ」と、どちらかを「正」であり、反対を「誤」であるとしてしまう考え方は間違っています。

人には色々な感じ方、色々な捉え方がある。

それが当たり前なのです。

違ったら、違いを理解しあえば良いのです。

その中で、話し合い、理解しあい、目的のために、目標遂行に向かうのが組織であり、そういう組織であればこそ、イノベーションが起きるのだと思います。

2015年7月13日月曜日

気持がラクになれば本は読める

フォトリーディング集中講座で最初に行う読書テストの結果を共有した板書の写真
フォトリーディング集中講座で最初に行う読書テストの結果を共有した板書

この土日はフォトリーディング集中講座を開催していました。

この板書は講座の最初に行う「初めの3分間テスト」の板書です。

最初から楽しく読めている方もいらっしゃいますが、多くの人が問題を抱えています。

「読んでも頭に入らない」

「忘れてしまうのではないかと不安を感じる」

「心の中で音読しているのが気になる」

「雑念が浮かぶ」

「3分間がキツイ」

「読まされている感がある」

これらの問題が解消されると、読書力は遥かに向上します。


・自然に楽に集中できている。

・あせる気持がなく、本に入り込めている。

・楽しい気持で目的意識を持って読めている。

こうなったらいいですよね。

昨日の夕方、フォトリーディング集中講座の二日目には、最初のテストで皆さんが抱えていた問題はほぼ解消されました。

「とても気楽に読めた」

「目的があるので、全部読まなくてはいけないというようなこだわりがなくなった」

「スラスラと読めた」

「罪悪感がなくなった」

読書の邪魔をしているのは、案外、自分自身の中にある「思い込み」だったりします。

「全部きれいに読まなくては」

「一度読んだところを忘れないようにしなくては」

「一度で完全に理解しなくては」

こういった「〇〇せねばならない」という思考法は、読書の邪魔になるだけで、良い結果を生みません。

もっと気持をラクに持って、読書を楽しい気持で行えれば、脳が自然に働いてくれ、文書処理力もぐっと上がります。

次のフォトリーディング集中講座は2週間後。

講座は生ものですから、毎回、何が起きるかワクワクします。

再来週も楽しい講座をご提供できるように頑張ります!

2015年7月12日日曜日

「パーソナル・コンサルタント養成講座」無料説明会実施中

中小企業総合展・メインステージでの講演風景(2013年11月撮影)の写真
中小企業総合展・メインステージでの講演風景(2013年11月撮影)


7月4日から、「パーソナル・コンサルタント養成講座」無料説明会を開催し始めました。


緊急の告知だったにもかかわらず、おいでくださったみなさま、本当にありがとうございました。

この企画は、まだスタートアップの最中で不透明なところもありますが、今後、みなさまに喜ばれる良き商品に仕上げて行きたいと思っており、今、とても力を入れて取り組んでいます。

この企画の背景には、本当の意味での人材開発に繋がる内容を公開講座として商品化したいという考えがありました。

弊社では、マインドマップのようなツールに関する講座をご提供しておりますが、大切なのは実はツールを使うことではなく、能力を高めること。

ツールにはそれぞれの良さがありますが、ツールを使うことやツールを賞賛することが目的ではありません。

本当の意味での能力開発を考えたらどうなるのだろうかと考えて、今回の「パーソナル・コンサルタント養成講座」を企画、開発しました。

仕事をするために最も必要と言われているのが、「問題解決力」。

けれど、「問題解決力」と一言で言っても、その実体はよく見えないというのが現実だと思います。

そこで、当講座では、「問題解決力」を「5分野・12の力」+「リーダーシップ」と定義づけました。

リーダーシップは、体験的に体得するものですが、「5分野・12の力」は、訓練することが可能であると考え、12の講座を通して一つひとつ、力を上げて行こうというものです。



日本のホワイトカラーの生産性は、先進国の中では最も低いレベルを推移しているそうです。

日本は、江戸時代から農民の識字率が高く、教育レベルも高い国であったのに、とても残念ですよね。

日本のホワイトカラーの皆さんが、仕事の生産性を上げられる力をもっと高めていくことで、日本という国はもっと良くなれるのだろうと思います。

「パーソナル・コンサルタント養成講座」がその一助となれば、何よりです。

ウェブサイトもまだできておらず、詳細は無料説明会でお話しています。

今月は、13日(月)、18日(土)、21日(火)、27日(月)、31日(金)、いずれも19時から一時間、クリエイト紀尾井町で無料説明会を開催します。

今、「セミナーズ」というセミナーポータルサイトで募集をしておりますので、気になった方は、是非、セミナーズで詳細を確認してくださいね。

もちろん、弊社への直接のお問い合わせも歓迎しております。

「パーソナル・コンサルタント養成講座 無料説明会」
13日(月)分のセミナーズ・サイトはこちら

株式会社ヒューマン・リスペクト




2015年7月2日木曜日

プロ講師、プロの研修ファシリテーターであろう

研修風景(2014年2月撮影)の写真
研修風景(2014年2月撮影)

以前、弊社の講座に、とある研修会社の営業部長様がおいでくださいました。

しばらくご無沙汰していたのですが、久しぶりにご連絡し、ご挨拶をお願いして昨日訪問をして参りました。

お話をする中で、「セミナーの講師」と「企業研修の講師」は明らかに違うという話に。

そうです。

確かに、「セミナーの講師」と「企業研修の講師」は立場も違えば、ファシリテーションの仕方も違う。心構えもマナーもすべて違います。

他にも講師業には種類があり、「予備校講師」「講演講師」「カルチャー教室の講師」など、さまざま。

一言で「講師」と言っても、本当に幅広い仕事があるのですよね。

「セミナーの講師」というのは、オープンセミナーなどの講師のことで、私もマインドマップ講座やフォトリーディング講座を開催するときは、「セミナーの講師」としての顔で講義に向かいます。

セミナー講師の場合には、講師のカリスマ性やタレント性が重要で、講師の魅力で受講者にファンになっていただくというケースが多いでしょう。

その講師のオリジナル講座であれば、よりカリスマ性、タレント性が際立つことと思われます。

一方で、「企業研修の講師」は企業の課題解決としての人材育成を行っているのであり、そのミッションを果たすことが仕事です。

ですので、講師のカリスマ性、タレント性などは求められておらず、職業としての講師業をきっちりこなすことが大切です。

ですので、講師業を目指す場合には、どのようなタイプの講師業を目指しているのかを具体的にイメージする必要があるでしょう。

あまりにタレント性が強すぎると、企業研修の講師としては通用しないということもありますし、企業研修の講師しかしていないと、セミナーの講師としては魅力がない、ということもあるでしょう。

私は本当に、多種多様な講師業をさせていただくことができました。

・企業研修講師
・オープンセミナー講師
・講演講師
・予備校講師
・カルチャー教室講師

どういうわけか、どれか一つの仕事に偏るもことなく、それぞれのタイプの講師業をくまなくやるチャンスに恵まれてきました。

中途半端とも言えますが、幅広い体験をすることができて本当に良かったと思っています。

おかげで、講師と名のつく仕事は、ほとんどどのような仕事もこなせる自信がついてきました(専門性を求められる話はもちろんムリです)。

私は、自分は「研修ファシリテーションのプロ」であり、本当の「プロ講師」でありたいと思っており、そう名乗るようにしています。

どのようなオーダーが来ても、仕事をやり遂げたい。

講演も、研修も、セミナーも。

やっていることに多少の違いはありますが、根本的には、受講者の方々に「学習」が起きるための仕事をしているのです。

方法は色々あって構わず、自分のスタイルにこだわる必要もありません。

色々なタイプの講師をしていると、個性がなくなるように思うかもしれませんが、実はそうでもありません。

どのような仕事をしても、きちんとその講師のカラーは活かせます。

また、私は自分はオリジナルコンテンツを作るメーカーではなく、コンテンツをどのようにデリバリーするか、そのデリバリーの方法に強みを持ちたいと考えています。

ちょっとした話の組み立て方や受講者との関わり方、ファシリテーションの仕方や話の内容などに、その講師の個性はきちんと出てきます。

逆に自分のスタイルにこだわりすぎると、選択肢が狭くなる。

もっとたくさんの方法を持ち、多くの「学び」の場に、役に立てる講師になりたい。

さらには、それを後進にも伝えて行きたいと思います。

組織内におけるマインドマップの講義風景の写真
組織内におけるマインドマップの講義風景