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2016年11月29日火曜日

アクションラーニング解説1. 問題が解決しないのは「思い込み」のせい

チームで問題解決をしながら学習するアクションラーニングのセッション風景


たった50分の会議で、「困った、困った」と思っていた問題が、スッキリ解決できる方法があるのをご存知ですか?

「アクションラーニング」という手法です。

これを使うと、複雑で入り組んでいるような問題がほどけてきたり、動けなくなってしまった状態から抜け出すことができます。

さらには、さまざまな問題というのは、大抵は「思い込み」のせいで解決できないのだということも分かってきます。

今回は、そのアクションラーニングについて、少しご紹介をしたいと思います。


2016年11月24日木曜日

客先でインタビューする際の心構え



誰かと話をしている時に、もう一歩踏み込んで良いのかどうか、悩むことはありませんか?

ずかずかと踏み込みすぎると、

 「図々しい人だな」
 「立ち入らないでよ」
 「そこはあなたに関係ないよ」

などと思われそうで、聞きたいことも、つい飲み込んでしまう。
こんなことって、結構ありますよね。

当たり障りのない関係であれば、このままで良いのですが、あえて一歩踏み込むことで良い関係に発展することも、実はたくさんあります。

たとえば、お子さんがいない40歳を過ぎたご夫婦にお会いした場合。

 「なぜお子さんを作らなかったのかな?」
 「いや、お子さんができなかったのかな?」

などと考えることはありますよね。

もし、お子さんが欲しいけれどできないのだとしたら、お子さんがいない理由を聞いてしまうと、相手を傷つけてしまうのではないかと心配にもなります。

そこは、「配慮」が必要ですね。

初対面だったり、まだよく知り合っていないうちは、踏み込まずに、聞かずにいるのが良いでしょう。

この場合は「遠慮」します。

けれど、何度かお会いして、お食事なども一緒にして、だんだん親しくなってきたら、一度は聞いても良いのではないかと思います。一歩踏み込むことで、相手との理解が深まり、より良い関係に発展するということもあるからです。

 「ところで、立ち入ったことで失礼かもしれませんが、なぜお子さんをお持ちにならないのですか?」

ただし、質問する際には、さまざまな回答が返ってくることを想定して、「配慮」のある聞き方が必要です。

 「子供を作るチャンスを逃してしまったので、このあとは二人で生きていこうと考えています」

 「実は欲しいので、不妊治療をしているところなんだ」

 「子供はあまり欲しいと思わなかった」

それぞれの場合に、相手の気持ちに寄り添う準備が必要ですよね。けれど、同情したりしては逆に失礼に当たります。「そうなんですか」と、ただ素直に受け止めましょう。

一歩踏み込むことで、相手の状況や価値観をより理解することができます。理解できたら、それを踏まえて、相手を尊重しましょう。話題を選んだり、自分の考えを押し付けないようにコミュニケーションしましょう。

実は、この「一歩踏み込む力」は、営業担当者などにも求められる力です。

相手を分かったようなふりをしていたり、不思議に思うことを聞かないでいたり。これは「遠慮」のなす技ですね。

けれど、「配慮」があれば、遠慮して聞かないでいるよりも、一歩踏み込んだほうが、相手を深く理解できます。

お客様をより深く理解できれば、相手に合わせた提案をすることもできるようになります。

 「配慮はしても遠慮はしない」

特に、客先でインタビューをする際などには、この心構えで行きましょう。

2016年11月16日水曜日

相談しにくい時どうするか 〜 「上司に怒られにくい話し方」



30代後半の社員がいない。

今、これで困っている会社さんが多いらしいですね。バブル崩壊後の就職氷河期に採用を減らしたのが原因です。

その下の世代である20代の上が、いきなり40歳〜50歳代になってしまっていて、社内コミュニケーションが上手くいかないのです。

まあ、25歳くらいの若い人からみたら、50代のおじさんと一緒に仕事をしなきゃならないのは大変でしょうね。間に36、37歳くらいの人がいてくれれば相談できるのでしょうが、自分のお父さんくらいの他人と一緒に仕事するのですからね。話しづらいですよね。

若い人の中には相談ができず、仕事を抱え込んでしまい、ウツ気味になる人もいます。

特に大きい企業は縦社会で、「上の人の言うことに従うのが当たり前」という文化ですから、相談されるほうの側がいろいろと工夫をしないと、若い人は相談しづらいでしょう。

では、若い人はどうしたら良いのでしょうか。

相談しやすいようにいろいろと気を使って工夫をしてくれる上司ならいいですが、そういう人はまず少ない。

若い人も、自分をちょっと鍛えて、ウツなんかにならないようにしましょうね。

相談しにくいのは、相談すると「怒られる」ような気がするからじゃないでしょうか? もしそうだとしたら、「怒られにくい話し方」をするといいですよ。

ポイントは、先に結論を言うということです。

 「課長、〇〇装置の動きが変です。・・・・・・」

 「課長、体調が悪いです。・・・・・・」

こんな風に、先に結論を言ってください。これ、簡単なようで案外できていないのです。

 「課長、実は・・・ちょっと3階を見回りに行ったら・・・なんか、〇〇装置が〇〇になってて、どうしようかと思ったんですけど・・・・・」

 「課長、ゆうべ・・・家に帰ったらちょっと食事のときおかしくて・・・それで今朝・・・体温計はかったら・・・」

こんな感じになっていませんか? 上司がイラっとしてしまうのは、「要するに何が言いたいのか、さっさと言ってよ」と思うからなのです。

「結論を先に言う」で、相談しにくい状況をどうにか乗り切ってくださいね。

2016年11月9日水曜日

トランプ当選で、これからの日本はどうなるのか?

18世紀にフランスから送られた自由の女神は
アメリカの象徴になっている


いやあ、今日は一日中、大統領戦が気になって、仕事どころではありませんでした。

今朝ほど、このブログに「トランプ氏が大統領になったら、どうなるんだろう?」 と不安な気持ちを書いていたら、本当にそうなってしまいました。

アメリカ国民の中には、相当、「人のことなんて考えていられないよ、自分のことがとにかく大事」という気持ちが広がっているのでしょうか。どんどん「内向き」志向になっていますよね。

事前の世論調査が当たらなかったというのは、最後まで声を上げなかったサイレント・マジョリティが、本音を出した結果とも捉えられ、アメリカという国に渦巻く大きな「内向き」のトレンドを示唆する結果なのかもしれないですね。

この流れは、何もアメリカだけではなく、今年はイギリスだってBREXIT(EU離脱)の国民投票がありましたし、ヨーロッパ各国の中にも、一部地域が独立しようという流れが続いています。

ナショナリズムとグローバリズムが、行ったりきたりしながら、世界は少しずつ螺旋階段を上っているのでしょうか。もしくは、下っているのでしょうか?

また、アメリカの場合、シェールガスが大量に生産できるようになってきたことも、内向き路線に関係しているのかもしれないですね。イギリスがポンドを維持し、ユーロ危機の火の粉を浴びたくないと考えたのと、なんとなく似ている気がします。

まあ、自国を守るというのは国家としては当然のこと。自国内で完結できるのなら、それに越したことはないのかもしれないです。日本の江戸時代の鎖国なんて、完全に内向きだったわけですからね。

ただ、現代においては、日本は資源がないのと、非武装であること、得意分野が限られるなどのことで、内ばかり向いてはいられません。

中国や朝鮮半島、ロシアとの関係は、これからどうなっていくのでしょうか?

ISのテロ活動は、単なる宗教の問題ではないでしょう。トランプさんが、少しまともな発言になってくれればいいのですが・・・。

私も、真剣に世界情勢と日本の行く末を考えなくちゃ、という気になっています!

「対話による合意形成」を目指す社会の前提


国会議事堂


今日はアメリカの大統領選の選挙結果が出てきますね。あと、数時間です。

クリントン、トランプ、どちらが勝つのか、私も目が離せません。

さて、今回の選挙戦を見ていて驚かされたのは、暴挙暴言を繰り返す子供のようなトランプ候補をアメリカ国民の多くの人たちが支持しているということです。

ここから分かるのは、アメリカは今、いろいろな面で追い詰められているんだろうなということ。

トランプ候補を多くの人が支持している背景には、

 「他国のことなんか考えていられない。自分のことで精一杯。」

という気持ちになっている人たちが大勢いるという国家事情があるのでしょう。

今の共和党の考え方は、国際協調というよりもアメリカ覇権主義。

 「強いアメリカを取り戻そう!」

とトランプ候補がよく言っているとおりです。

他国のことや世界の行く末よりも、まず自国の利益と安全を確保しよう、ということなんでしょうね。切羽詰まった状況では、当然の考え方であるとも言えます。

一方で、「対立構造の中からは何も生まれない」と考え協調路線を取ろうとしているのが民主党。

 「壁ではなく橋を作りましょう!」

とクリントン候補が言っているとおりですね。

さて、ここで考えたいのは、こんな風に国民の意見が激しく割れている状況、また国民の多くが切羽詰まった感情を持っている中で、どうすれば多くの人が納得でき、さらには世界の発展にとってプラスになるような政策決定ができるのだろうかということ。

政治というのは、いろいろな人たちの利権への野望が渦巻いているので仕方ないかもしれないですが、与野党がお互いの揚げ足とりばかりしていて、政策についての話し合いがなされないのでは、何の意味もありませんよね。

政策について考えるのは政治家の仕事ですが、国民の間にも、政策について違う意見を持つ人たちが話し合いをしながら一緒に考える場を持つことが必要なのではないかという気がします。そういった国民の話し合いの内容が政治の場にも反映されていくような社会というのが、本来の民主主義でしょう。

これだけのネット社会ですから、今のSNSをちょっと発展させれば、リアルに、インタラクティブに、国民の間に対話の場を作ることは可能なようにも思います。国民がみなで政策について話し合ったり考えたりしながら、政策が実現されていく社会ができたら、素晴らしいのではないか、という気がします。

しかし一方で、国民に、話し合いに参加するだけの知識や考えがなくては、これまた意味がないとも言えます。

ということは、私たちは一人一人が学ばなくてはならないのですよね。歴史を学び、その経験から今や未来を選択し、判断する力を国民全員が磨く。

「対話による合意形成」を目指す社会の前提には、国民の判断力、国民全員の「知」の発展が必要なのでしょうね。

さあ、私も引き続き、歴史を学びたいと思います!

2016年11月2日水曜日

豊洲の「盛り土」問題はタイタニック号の沈没と同じ?

ここのところ毎日、テレビ、新聞などで豊洲の問題が取り上げられていますね。

8人の責任者が「盛り土」をしないと決定したということらしいですが、当事者たちが、

 「盛り土をしないとは知らなかった」

などと言っているのが、なんとも解せぬところです。

決定事項を知らないで意思決定が行なわれている状況。

こういう意思決定に、関わった職員たちが誰も責任を持とうとしないのですから、大変恐ろしい状況です。

豊洲の問題くらいで良かったとも言えるわけで、国土をゆるがすような、もっと重大な意思決定だったら、どうなるのだろうかと思います。

おそらく、こういう状態は都庁に限ったことではなく、「責任」ということが曖昧になりがちな役所では、全国的に多数見られるのではないでしょうか。

ですので、これを良い機会に、「経営者不在の組織」、つまり「後始末をする人がいない組織」における意思決定のあり方を、全国的に見直してほしいと思います。


都庁とタイタニックに共通するグループダイナミクス


さて、この東京都の問題を見ていて、どうしても浮かんできてしまうのが、タイタニック号の沈没事故のことです。

タイタニックが、なぜあれだけの大惨事になったかご存知でしょうか?

ボートと救命具が足りなかったからです。

積んでおけば良いのに、なぜ積まなかったのかというと、「沈まないだろう」と思っていたからです。

けれど、誰か一人くらいは「沈むかもしれない」と思っても良さそうですよね。

ところが、誰も「沈むかもしれないからボート積みましょうよ」と言いださなかった。

一体、何が起きていたのだと思いますか?

組織とは、本来、個人では発揮できない力を生み出すためにあるはずのもの。けれど、逆に組織になったからこそ、個人よりも愚かになってしまうこともあるのです。

 「私がやらなくても誰かがやってくれるだろう」・・・社会的手抜き

 「みんなが大丈夫と言ってるから大丈夫だろう」・・・リスキーシフト

 「まあ、このままで、このままで・・・」・・・コーシャスシフト

 「大丈夫に決まってるんだ、余計な口出しはせず黙ってろ」・・・同調圧力

こういう現象が起きることをグループダイナミクス(集団力学)と言います。

おそらく、タイタニックのチームの場合にも、こんなグループダイナミクスが生まれていたのではないかと思います。

都庁も同じかもしれません。

こういう負のグループダイナミクスは、組織を蝕み、ダメにしてしまいます。

最悪の場合には、大変な大惨事になるのですよね。

豊洲の盛り土問題は、調査結果が出て、問題がないとしても、「結果良ければすべて良し」とは行きません。

組織の体質に問題があることが見えてしまったのですよね。

我々、ファシリテーターは、こういう組織をどのようにして変えていけるでしょうか。

 「今起きていることを明らかにして全員の前に見せる」

これがファシリテーターの仕事です。

 「盛り土をしないとは知らなかった」

こんな言葉が出てこないような会議になるように、ファシリテートしないといけないですね。


タイタニック号
タイタニック号