2017年3月22日水曜日

相談下手な人のための相談術No.6「言われたとおりに仕事をしては失敗する」


相談下手な人が、もっと上手に相談できるようになるために、今日は、「言われたとおりに」仕事をしたのに失敗してしまった人が、本当は何を相談しなくてはならなかったのかについて考えてみたいと思います。

当たり前のことですが、仕事というのは、誰かに対して提供する「問題解決」です。

ですので、ただ言われたことをやったというだけでは不十分なことが多いでしょう。

「これをやって」と言われたら、「なぜ、これをやるのだろう?」と考える必要があります。どのような仕事にも目的があるということです。
仕事の目的をしっかり掴んでいないと、言われたことをきっちりやっていたとしても、評価されないばかりか、怒られてしまうこともあるのです。

言われたとおりにやって失敗してしまうのはなぜ?

たとえば、Aさんは商品在庫を仕入れる担当だとします。また、店舗の販売員の手配も担当しています。

ある日、上司に

「今週の土曜日は何人くらい販売員を用意しましょうか?」

と聞きました。
すると、上司は

「今週末は天気が悪いらしいから、いつもほどお客さんもこないだろうな。まあ、販売員は3名アポイントを取っておいてもらえればいいんじゃないか」

と返事をしました。

そこで、Aさんは3名の販売員に土曜日出勤のアポイントを取りました。
普段、3名程度で販売している日の売上高は、商品60個も売れれば相当な成績です。
在庫を確認したら、ちょうど60個ありました。
そこで、あなたは、追加の発注はせずに仕事を終えました。

ところが・・・。

Aさんがお休み中の土曜日に、上司から電話がかかってきました。

「在庫が見当たらないがどこにあるんだ?」

Aさんは
「60個しか用意していません。販売員3名で良いと言われたので」
と答えます。

すると、上司は

「えええ! 60個でいいなんて、どうしてそうなったんだ!」
と言うのです。

その土曜日は、雨の予報だったのですが、急に天気が変わり晴天となったため、お客様の出足が非常に良くなり、売り上げが急激に上がっていたのです。

Aさんは、せっかくの休みのところ、なんとなく落ち着かない気持ちになってしまいました。

上司に言われたとおりにやっていては目的達成できない

翌週明けに出社すると、上司からメールが入っていました。

「せっかくの販売チャンスだったのに、在庫が無くなり営業成績を上げるチャンスを失ってしまった」

「在庫は余力を持って用意してほしいと常々伝えている。過去にも在庫切れとなったことがあり、私が商品を取りに行ったこともある。何度も伝えているように、今後は必ず商品在庫を切らさないようにしてほしい」

Aさんは、申し訳ない気持ちも持ちつつ、

「でも、上司は、土曜日は天気が悪いだろうから、いつもほどお客さんもこないだろうと言っていた。だから私は在庫を60個しか用意しなかったのだ」

という反発したい気持ちも持ちました。

けれど、Aさんの仕事の仕方は、本当の目的達成に繋がっていません。なので、Aさんの仕事は評価されないのです。

Aさんは上司の言ったとおりに、3人の販売員をアサインし、天気の悪い日に足りる程度の在庫を用意しました。けれど、言われたとおりにやったのでは、ダメなのです。

何が目的なのかを理解し、自分で考え仕事をする

このケースの場合には、店舗の売上を上げ、かつコストを下げ、利益を出すことが目的です。

Aさんは、それが理解できていなかったため、「上司に言われたとおりに」お客さんは少ないだろうと、勝手に決めてしまっていました。

Aさんが目的を達成するためにすべきことは何でしょうか?

販売員はコストですので、天気が悪く売上があまり見込めない時には、余剰人員を出さないようにアサインしなくてはなりません。これについては、上司に確認したとおり、3人をアサインしており、Aさんの仕事に問題はありません。

一方、売上を最大化するためには、在庫切れを起こさないことが重要です。

Aさんは、「上司に言われたとおりに」天気が悪いからあまり売れないだろうと、60個という在庫で十分だと勝手に決めてしまっていました。ここが問題です。自分では、「上司に言われたとおりにやった」と思うかもしれませんが、本当の目的を理解していないために、「上司に言われたとおりに」仕事をして、失敗しているのです。

Aさんは、「上司に言われたとおりに」仕事をすることを求められているのではなく、「目的を達成するために」仕事をすることを求められているのです。ここを履き違えているのが、Aさんの問題点です。

与えられた仕事の重要ポイントを理解する

このケースの場合、Aさんが上司に相談すべきことは何だと思いますか?

Aさんは、土曜日に必要な在庫数を上司に確認していません。もちろん、これも問題なのですが、本当は、もっと別のことを相談しなくてはならないのです。

Aさんは、商品在庫の仕入れ担当です。
仕入れ担当は、十分な在庫を用意しなくてはなりませんが、一方で、不要な在庫を抱えてしまうことも避けなくてはなりません。

だとしたら、Aさんが考えるべきことは、

「売上見込や現在のプロモーションの状況からして、常に用意すべき在庫数はいくつか」
「商品の仕入先の生産状況や配送状況はどのようになっているか」
「どのようにすればデッドストックを持たずに済むか」

などです。
これについて自分で調査をして、判断に迷うことがあったら、上司に相談しなくてはならないのです。

毎回、「今週の土曜は何個在庫を用意しましょうか?」と聞いていたのではダメなのです。

仕事というのは問題解決です。
ただ「言われたとおりに」仕事をしているうちは、一人前にはなれません。

与えられた仕事の何が重要なポイントであるのかを考え、それについて上司に相談をするようにしてください。

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