相談下手な人が、もっと上手に相談できるようになるために、今日は、「相談相手」をどう選ぶべきかについてお話ししたいと思います。
上司から指示された仕事をどうやって進めて良いか分からない時、上司に
「どうしたら良いのか分かりません」
とそのまま相談しても、
「自分で少し考えてこい」
と怒られてしまいそうですよね。
けれど、実際のところ、どう考えてよいのやら、それさえ分からず困っているということはないでしょうか。
そんな時は、相談相手を変えることを考えましょう。
誰に相談すべきかを相談する
上司には相談できない、となると、先輩や同僚に相談することになるのですが、それらの人たちに相談したところでヒントが得られるかどうかも分かりません。やぶからぼうに誰に相談しても良いというものでもないでしょう。
ですので、まず、仕事を頼んできた上司に、相談相手を誰にすべきかを相談してみましょう。仕事そのものの相談では相手にしてくれないかもしれませんが、相談相手を誰にすべきかくらいなら、助けてくれる可能性が高まります。
この時のキーフレーズは
「この件の進め方を考えるにあたり、相談すべき人はどなたでしょうか?」
「この件に詳しい人やご経験のある人はどなたでしょうか?」
といった感じです。
もぞもぞと「あの〜」などと言わないように気をつけてください。
あくまでも、きっぱりと、ハキハキと、テンポ良く上司に要件を聞きます。
テンポが良いと、上司もそのテンポにつられてきますので、
「山田くんに聞いてごらん。昨年、同じような仕事を担当したから」
などと答えてくれるかもしれません。
そうしたら、すかさず
「ありがとうございます! 恐縮ですが、課長から山田さんに一言声をかけてもらうことは可能でしょうか? 私の相談に乗ってやってくれと言っていただけると助かります。」
と、相談相手に相談を受けるように指示してもらうことを依頼します。
上司は忙しい立場ですので、ウジウジ、モジモジして、はっきりと言いたいことを言わないでいると、イラッとされてしまいます。
「あの〜。山田さんに・・相談して・・聞いてもらえるでしょうか・・」
などと言ってはいけませんよ。(笑)
斜めの先輩、斜めの上司を活用する
直属の上司や先輩というのは、一緒に仕事をする相手であり、また、評価される相手でもあるので、正直なことを話しにくいということもあるでしょう。
そんな時、他の部署の先輩や上司に相談を持ちかけるというのも一つの手です。直属の上ではないので、「斜めの先輩」「斜めの上司」と表現しています。
この人たちは、直接仕事を一緒にしているわけではないので、客観的にあなたの部署のことを見ている可能性も高いのです。また、利害関係もあまりありませんので、話もしやすいのではないでしょうか。
ただ、直属の上でないからといって、自分の先輩や上司の悪口を言ってはいけません。あくまでも、先輩や上司は立てつつ、話をしてみるのです。勘の良い人なら、あなたが直属の先輩や上司には話しづらいと感じていることを読み取って、相談に乗ってくれるかもしれません。
この場合は、ランチに一緒に行ったり、飲み会に参加したりと、話がしやすい人間関係をあらかじめ作っておくほうが良いでしょう。また、研修で一緒になった人なども、良い相談相手になってくれる可能性があります。
斜めの先輩は、別の部署の同僚が紹介してくれるということもあるでしょう。この場合には、同僚に「飲みに行かないか?」と誘い、「君の先輩とも話したいなあ」などと、その同僚が先輩を誘うように仕向けると良いでしょう。「そっちの部署がどんな感じか勉強させてもらいたいなあ」と言えば、歓迎してくれるかもしれません。
ただ、飲み会は、つい愚痴の言い合いになりがちです。愚痴を言うことでガス抜きになれば何よりですが、あとあと「こんなことを言っていた」などと言われないとも限りません。
社内の人との飲み会は、基本的に前向きな話題であるべきと考え、その中で、「実は、ちょっとこういうことで困っていまして・・・」と前向きな相談をするようにしてください。
誰かに話すことで頭が整理される
社内の人に仕事の相談をする時、「こんなことを相談したら、バカにされるんじゃないか」「こんなことで悩んでいるなんて、能力がないと思われるんじゃないか」などと思ってしまうことはないですか?
確かに、そういったリスクがゼロであるとは言えません。ですが、誰かに話をすることで、頭の中がスッキリして、明日からの仕事に気持ち良く取り組めたら、これは何よりです。
あなただけが悩んでいるわけではなく、実は、他の人も似たようなことで悩んでいるのです。鎧を脱ぐ気持ちで、少しだけ相手に心の中を見せることで、相手も鎧を脱いでくれるかもしれません。
会社の中でも、鎧を脱いで話せる相手がいることは、仕事をしていく上でとても大事なことだと思います。
あなたから、ちょっとだけ相手に近づいてみてくださいね。
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