2016年2月17日水曜日

SWOT分析で間違いやすいポイントとは? <経営戦略>易しく分かりやすく楽しく解説 ♪(2)

マインドマップで学ぶ「グラフィックMBA」の講座風景


「SWOT分析」で間違いやすいポイントとは?


多くのビジネスパーソンが、研修などで一度は学んだことのある「SWOT分析」。

 「SWOTくらい知っているよ、できるよ」

とお考えかもしれませんが、実際には上手に使えていないケースが多く見られます。

まず、今日はちょっと、復習からしていきましょう。

SWOT分析とは、会社など分析対象の内部環境と外部環境を洗い出し、その状況から会社の戦略方向性を見出す分析手法です。

 Strength(強み)
 Weakness(弱み)
 Opportunity(機会)
 Threats(脅威)

この4つの頭文字を並べたものがこの手法の名称で、SWOT(スウォット)と呼びます。

内部環境とは、会社の内部のことで、Strength(強み)とWeakness(弱み)が内部環境に当たります。

一方、外部環境とは、会社の外部のことで、Opportunity(機会)とThreats(脅威)が外部環境に当たります。

内部環境分析においては、主として、以下について考え、洗い出しましょう。

 人(人材に関すること)
 モノ(設備・土地・建物等に関すること)
 金(財務状況・金融資産に関すること)
 情報(知財・ノウハウ・ブランド・顧客情報・顧客やビジネスパートナーとの関係性など)

外部環境分析においては、主として、以下について考え、洗い出しましょう。

 顧客(ニーズ、現在の状況、未来の状況)
 競合(強み、強みを裏付けるもの、戦略)
 政治的環境(政策、法規制など)
 経済的環境(為替、金利、株価、景気など)
 社会的環境(文化、サブカルチャー、社会的イベント、大きな事件や事故、天災など)
 技術的環境(新技術、新発見、技術の限界など)

研修などで受講者の皆さんにSWOTをやっていただくうちに、間違いやすいポイントがいくつか見えてきたので、今日はそのうちのいくつかについて、お話をしたいと思います。


内部環境と外部環境はしっかり分け、客観的に事象を捉える

 
慣れないうちは、内部環境と外部環境がゴチャゴチャになるようです。

よく見られるのは、機会のところに「自社の商品が売れている」とか、脅威のところに「自社ブランドが浸透しない」といったことをあげるというケースです。

ケースにもよりますが、これらは自社の状況について述べていることで、機会や脅威といったものとは異なることが多いものです。

外部環境はもう少し客観的に考ると良いでしょう。

たとえば、「顧客層が現在〇〇の状況であり、そのために××のニーズがある」とすれば、外部環境の記述として適切と言えます。

客観的ですし、確かに機会という概念を表している事象です。

「自社の商品が売れている」という状況は、そういった外部環境の状況に自社の商品がマッチしたために起きた結果として考えるわけです。

このような思考をするためには、表面的に見えていることについて「なぜだろう?」と考えてみると良いでしょう。

表面に見えていることの背景に何が隠れているか洞察することで、本質的な事象が見えてきます。


強みと弱みはコインの表裏


自社の弱みは出せるのだけれど強みが見出せないというケース。

これは、弱みというよりも「できていないこと」をあげている可能性があります。

強みや弱みというのは、「その会社の特徴的なこと」という意味で捉えると良いのです。

たとえば、「新入社員を採用できていない」という弱みをあげたとします。

これは、よく考えると「社員が古株である」ということを意味しているのかもしれないですね。

古株社員ばかりになっていて、もっと新人を採用しなくては、と考えており、そのできていないことを弱みにあげるというのは、間違いではありません。

けれど、一方で、このことは、「社員がみなベテランである」と捉え直すことができるかもしれません。

もちろん、ケースによって異なりますが、弱みであると考えていることを別の面から捉え直すと、それは強みを表しているということもあるのです。

強みも弱みも、その会社の特徴です。特徴は強みにもなり得るし、弱みにもなり得る。

つまり、コインの表裏みたいな関係なのです。

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今日はSWOT分析について書いてみました。

自社について考える時にも、SWOTは一番大切な分析ですので、参考にしていただければ嬉しいです。

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