2016年2月4日木曜日

問題解決は全体を見たときに起きる?

2016年1月3日「マインドマップ 目標実現GIFT 1日集中講座」 での塚原美樹の講義風景
2016年1月3日「マインドマップ 目標実現GIFT 1日集中講座」
での塚原美樹の講義風景

マインドマップに関連したとても重要な概念に「ゲシュタルト」というものがあります。

これは、全体性という意味です。

全体というのは面白いもので、部分の総和とは異なります。

たとえば、次の絵を見ると、皆さんは白い四角を認識すると思いますが、実際には白い四角はありません。

全体を見た時には白い四角が見えるが 部分を見ている時には白い四角は見えない
全体を見た時には白い四角が見えるが
部分を見ている時には白い四角は見えない

4分の3の円形が四つあり、それぞれの配置の関係により、白い四角が見えるのです。

このように、全体を見ることで初めて見えてくるものというのがあり、私たちが頭を働かせるときにも、全体性を意識することは、効果的な思考のための重要な鍵になってきます。

全体を見ることで、新たな発想が湧きやすくなったり、本質的な問題に気付きやすくなります。

「ゲシュタルト」という言葉は「ゲシュタルト心理学」などで知っている人も多いのではないでしょうか。

ゲシュタルト心理学の創始者の一人と言われるヴォルフガング・ケーラーは、二匹のチンパンジーを使った実験を行った結果から「洞察学習」という考え方を提唱しました。

ケーラーはサルタンという名前のチンパンジーを部屋の中に入れます。

部屋の天井にはバナナが吊るされており、サルタンはそのバナナを取ろうとします。

やがてサルタンは、部屋の隅に置かれた箱に注目し、その箱を吊るされたバナナの下に移動させ、その上に乗ってジャンプすることで、バナナを手にしました。

ケーラーは、このサルタンの実験の様子を見ていたもう一匹のチンパンジー、ラナにも同じ実験をします。

ラナはサルタンの真似をしたのですが、バナナを取ることはできませんでした。

皆さんはラナは何をしたと思いますか?

そうです、ラナは箱を移動せずに、バナナが吊るされた位置とは関係ない場所に箱を置いたまま、箱の上でジャンプをしたのです。

つまり、ラナはサルタンのしていることの部分しか目に入っておらず、全体が見えていなかったのですね。

この様子を見て、ケーラーは気付きます。

「問題解決は全体を見たときに一気に起きるのだ。」

確かに、部分しか見えなかったラナには問題解決はできませんでしたね。

これがケーラーの考えた「洞察」ということです。

このように、全体を見るということは、深い洞察を得ることに繋がります。

マインドマップは全体を見渡せるノートであるために、この洞察的思考が促されやすいのです。

今、身近に起きている問題について、とにかくマインドマップを書いてみましょう。

思い浮かぶことを整理せず、連想のままにどんどん書いて、さらに少し視点を変えて、また、どんどん書いてください。

もう出尽くしたと思ったら、マインドマップを少し俯瞰して眺めてください。

眺めているうちに、何かが分かってくると思います。

今まで見えていなかった繋がりに気づいたり、全体の中で何が大事なのかに気づく。

こんな風に、マインドマップを使って問題について考えることで、本質的な問題の発見、気づき、解決策の想起があるはずです。

そのコツは「全体を見る」ことです。

マインドマップを俯瞰することで
新たなひらめきや本質的な問題の発見が起きます


0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。