2016年1月3日「マインドマップ 目標実現GIFT 1日集中講座」 での塚原美樹の講義風景 |
これは、全体性という意味です。
全体というのは面白いもので、部分の総和とは異なります。
たとえば、次の絵を見ると、皆さんは白い四角を認識すると思いますが、実際には白い四角はありません。
全体を見た時には白い四角が見えるが 部分を見ている時には白い四角は見えない |
4分の3の円形が四つあり、それぞれの配置の関係により、白い四角が見えるのです。
このように、全体を見ることで初めて見えてくるものというのがあり、私たちが頭を働かせるときにも、全体性を意識することは、効果的な思考のための重要な鍵になってきます。
全体を見ることで、新たな発想が湧きやすくなったり、本質的な問題に気付きやすくなります。
「ゲシュタルト」という言葉は「ゲシュタルト心理学」などで知っている人も多いのではないでしょうか。
ゲシュタルト心理学の創始者の一人と言われるヴォルフガング・ケーラーは、二匹のチンパンジーを使った実験を行った結果から「洞察学習」という考え方を提唱しました。
ケーラーはサルタンという名前のチンパンジーを部屋の中に入れます。
部屋の天井にはバナナが吊るされており、サルタンはそのバナナを取ろうとします。
やがてサルタンは、部屋の隅に置かれた箱に注目し、その箱を吊るされたバナナの下に移動させ、その上に乗ってジャンプすることで、バナナを手にしました。
ケーラーは、このサルタンの実験の様子を見ていたもう一匹のチンパンジー、ラナにも同じ実験をします。
ラナはサルタンの真似をしたのですが、バナナを取ることはできませんでした。
皆さんはラナは何をしたと思いますか?
そうです、ラナは箱を移動せずに、バナナが吊るされた位置とは関係ない場所に箱を置いたまま、箱の上でジャンプをしたのです。
つまり、ラナはサルタンのしていることの部分しか目に入っておらず、全体が見えていなかったのですね。
この様子を見て、ケーラーは気付きます。
「問題解決は全体を見たときに一気に起きるのだ。」
確かに、部分しか見えなかったラナには問題解決はできませんでしたね。
これがケーラーの考えた「洞察」ということです。
このように、全体を見るということは、深い洞察を得ることに繋がります。
マインドマップは全体を見渡せるノートであるために、この洞察的思考が促されやすいのです。
今、身近に起きている問題について、とにかくマインドマップを書いてみましょう。
思い浮かぶことを整理せず、連想のままにどんどん書いて、さらに少し視点を変えて、また、どんどん書いてください。
もう出尽くしたと思ったら、マインドマップを少し俯瞰して眺めてください。
眺めているうちに、何かが分かってくると思います。
今まで見えていなかった繋がりに気づいたり、全体の中で何が大事なのかに気づく。
こんな風に、マインドマップを使って問題について考えることで、本質的な問題の発見、気づき、解決策の想起があるはずです。
そのコツは「全体を見る」ことです。
マインドマップを俯瞰することで 新たなひらめきや本質的な問題の発見が起きます |
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