2013年8月13日火曜日

「まず、世界観を変えよ」 (本の紹介)

「まず、世界観を変えよ」を手にする塚原美樹の写真
「まず、世界観を変えよ」

今日は田坂広志さんの「まず、世界観を変えよ」(英治出版)をフォトリーディング

副題に〜複雑系のマネジメント〜とあるように、経営、組織開発系の本です。

組織開発とは、組織をいかに効果的に機能するものにしていくかというテーマであり、組織活性化や組織マネジメントなども含む概念だと捉えています。
この分野ではピーター・センゲやオットー・シャーマーなど、アメリカの専門家が注目を浴びていますが、実は、日本は組織開発はもともと得意分野です。
なぜならば、日本には昔から複合的に、全体的に、物事を捉える文化が根付いており、欧米に生まれた二元論的文化とは一線を画してきたからです。

この本では、分析より洞察が必要であるとしており、組織を複合的で常に変化してしまう複雑系のシステムとして捉えるパラダイムが必要であることが述べられています。
変化して行く全体を見て、本質を見抜くという世界観は、日本においては、武道や日本画などにも見られるように思います。

たとえば、宮本武蔵の五輪の書には、「観の目」という感覚器官の使い方について述べられており、360度方向に意識を広げるような認識力を磨くことが大切であるとしています。
物事を部分的に、分析的に把握せず、一体のものとして、すなわち洞察的に把握しようという日本の文化が、こういったところにも読み取れるのではと思います。

実は、フォトリーディングのStep3で用いる「フォトフォーカス」という目の使い方は、この「観の目」と非常に関連性が高いものでもあります。

宮本武蔵は「観の目」は、丹田で物を見るような認識方法であるとしていますが、丹田で見るとは、果たして目からの情報認識と言えるのかというと、そこは不明確と言えるでしょう。
もっと深い感覚器官の使い方について述べているようにも思われます。
同様にフォトフォーカスが単に目からの情報認識であるかというと、そうでもないのでしょう。

フォトリーディングの開発者のポール・シーリィは、「自分の中の天才性に気づくことが何より大切である」と言っています。
そして、その天才性とは「無意識の心」、言い換えれば、私たちが普段、自分では認識できない脳と身体の働きのことを指しているのです。

結構、読み応えのあるしっかりした本ですが、フォトリーディング(Step3)をしたあとは、軽く復習(Step4)。
難しいと思う本の場合には、初めから理解しようとこだわりすぎず、さらっと流して、慣れることが何より大切です。
活性化(Step5)では、拾い読みをしながら、部分的には通し読みという感じでいけば、読み応えのある本も楽しみながら速く読み進められます。

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