「NLPのすすめ」 |
今日は、ジョセフ・オコナー、ジョン・セイモア共著の「NLPのすすめ」をフォトリーディング。
NLPについて知ったのは、2004年のことで、初めて買ったのがこの本です。
発行しているのは、株式会社チーム医療。
発行元の名称から推測されるとおり、NLPは医療の世界で、実践的方法を求める療法家に多くのヒントを与えました。
NLPは直訳すると「神経言語プログラミング」。
非常にわかりにくい名称ですが、その実態は、心理療法において効果をあげてきた意識、無意識、双方を対象とした様々なコミュニケーション技法の集まりと言えるでしょう。
NLPでは、天才的な心理療法家として、20世紀に成果を上げた3人が行った技法を一般化して、色々な人が色々な用途に使えるようにまとめています。
その3人の天才とは、ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ、家族療法のヴァージニア・サティア、催眠療法のミルトン・エリクソンです。
NLPは心理療法から生まれたものとは言え、医療以外の分野でも人と関わる仕事に携わる人には、大変役に立つものでしょう。
カウンセラー、セラピスト、コンサルタント、コーチ、講師、教師、医師、看護士、薬剤師、営業担当者、人事担当者、社内マネジャー、経営者。
人と関わることが主たる業務である人にとって、NLPのすぐに役立つコミュニケーション技法は、非常に助かるものであるに違いありません。
私が、NLPの中でも注目をしているのは、ミルトンモデルと呼ばれる、催眠療法の天才として知られるミルトン・エリクソンがよく使ったコミュニケーション技法です。
エリクソンはクライアントの無意識とコミュニケーションをはかるために、どのような反応が起きても良いように、非常に曖昧な表現方法を使ったコミュニケーションをしました。
時には気づかれないようにほのめかし、時には物語を語ることで暗に感じさせ、時には声のトーンやスピードで何かを感じさせる表現を作り、と、彼の表現は非常にデリケートであり、その解釈をクライアントに任せたものでした。
明確に表現せず、隠喩的に表現することで、クライアント独自の無意識的な受け取り方や解釈を引き出し、それを治療やクライアントの学習に活用しようとしたのでしょう。
私はヒプノセラピーを深く学ぶ中で、ミルトン・エリクソンについて研究し、本当に尊敬の意を持って、彼の技法を書籍を通じて学んできました。
実は、フォトリーディングの開発者であるポール・シーリィも、このNLPを深く追求した一人です。
ポール・シーリィに今年の6月にお会いした際、「なぜ、あなたはNLPと催眠を学んだのですか?」と質問してみました。
催眠に初めて出会った当時、彼は生物学専攻の学生だったそうです。
お母さんにたまたま誘われたのがきっかけだったということでした。
お母さんに、知人が医療催眠のワークショップをするのだけれど、参加する人が少ないので、サクラでいいから参加して欲しいと言われ、仕方なく参加したことがきっかけだったとのことでした。
それが、無意識、潜在意識などへの理解を深めるきっかけになったのだそうです。
実は、心理学へ向かって行く人の多くは、生理学を学んでいることが多く、20世紀のアメリカ心理学の大家として知られるウイリアム・ジェームスも、やはり生理学を専攻していました。
ポール・シーリィが生物学から始まり、NLPに傾倒し、人間開発やリーダーシップ研究に進んだというのも、納得ができます。
人間という存在を理解するというのは、心と体の結びつき、脳と体と心の関係を理解することでもあると思うのです。
フォトリーディングの講座を担当していると、フォトリーディングの講座には、人の心の無意識に働きかける演習やステップがあることに気がつきます。
ミルトンモデルのように、曖昧な方法で、クライアントが気づかないうちに、クライアントが変わっていくような影響を与えて行く。
フォトリーディング受講者が、なぜか受講後、人が変わったように勉強熱心になったり、読書家になったりするのは、そのせいなのかもしれません。
フォトリーディングには、エリクソンの取ったコミュニケーションと同様のものが含まれているのでは。
こんなことを考えて、とても楽しく、ますます探求心を高められるインストラクター業って、本当に面白いと思います。
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