2015年5月28日木曜日

アクションラーニング基礎講座DAY3実施しました

アクションラーニング・マーコードモデル開発者のマイケル・マーコード博士との写真
アクションラーニング・マーコードモデル開発者のマイケル・マーコード博士、
日本アクションラーニング協会の清宮普美代代表と (2013年8月撮影)
昨日はアクションラーニング基礎講座の3日目でした。

弊社が取り組んでいるのは質問会議と呼ばれるアメリカのマイケル・マーコード博士が開発したアクションラーニングの一手法ですが、質問会議の面白い点は、「チームで考える」体験ができるところです。

コーチングと似ているように捉えられることがありますが、質問会議で行っていることは、コーチングとはかなり違います。

学習の対象者は問題提示者(話題の提供者、問題を抱えている人)だけではなく、問題提示者の問題解決を助けるメンバーも含みます。

つまり、チームメンバー全員が学習しているのです。

メンバーと問題提示者は、「質問をするか、質問に答えるかしかしてはいけない」というルールのもとで対話をし、問題提示者の抱える問題を解決します。

はじめは、メンバーが問題提示者に問題提示者の状況を質問するということが行われます。
しかし、この時、メンバーは問題提示者に対し、決してコーチのようなことをしているわけではありません。
メンバーも問題提示者の抱える問題を「自分ごと」として一緒に考えているのです。
ですので、メンバーは問題提示者に「気づき」を与えようなどということをするわけではありません。

お互いに平等と尊重を重んじて関わる心構えがあると、メンバーは単に問題提示者を助けているだけでなく、問題提示者の抱える問題を自分の問題に置き換えたり、あてはめたりして、一緒に考えることができます。

チームが本当に一緒に考えるということが出来始めると、問題がテーブルの上に乗ったような状況になり、その問題は決して問題提示者だけの問題ではなくなってきます。

メンバーも問題提示者もお互いに考え、自分の頭に浮かんだ問いを素直に口にします。その問いがきっかけになり、他のメンバーがまた考えはじめ、チームでの思考は深まっていきます。

この質問のやり取りの際、参加者が自分の考えに捉われていると、良い質問をすることができません。「相手に気づかせてやろう」というような意図のある質問をしてしまうことになり、一緒に考えることができなくなります。

質問会議のセッションが非常に上手く行くときには、意図のある質問があまりなく、素直に全員が問いを発し、お互いの頭を使いながら、一緒に考えることができています。

この「チームで考える」体験は、多くのビジネスパーソンにとって大変な能力開発に繋がると私は思います。

現代においては多くの企業においてソリューション型のサービス提供が求められています。自社の手持ちの商品を売り込むだけでは事足りず、顧客自身も気づかない隠れたニーズ、ウォンツを発見することが求められています。
隠れたニーズ、ウォンツを発見することで、自社の商品や技術を新たな製品やサービスに作り直し、顧客にソリューションを提供できるのです。

しかしながら、多くのビジネスパーソンは自分の頭だけで考えてしまう習慣を身につけてしまっています。
顧客の話に耳を傾け、素直に質問をすることで、顧客の隠れたニーズ、ウォンツを引き出すことが出来れば良いのですが、少しだけ顧客の話を聞いて、勝手に問題解決をしてしまいます。
すると、顧客の本質的なニーズ、ウォンツにたどり着くことができません。

多くのコンサルタントや営業担当者、技術者がこういった問題を抱えています。

今までにチームで考えるという体験がなく、優秀であればあるほど、自分だけで問題の解を見つけ出すことをし続けて来たのですから、仕方ありません。

まず、チームで考えることにより、ブレイクスルーが起きる体験をすること。
ここから始めるのが良いでしょう。

チームで考えることができるようになれば、顧客に素直に質問をして、顧客とともに考えることができるようになると思います。

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